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マイク大集合(2)マイク編

いよいよマイクのテストに入ります。

マイクホルダー右側にDPA 4006A(レコーディングでのメインマイク)を設置し、左側を入れ替えてテストしてみようと思います。

 

 

「これはでかい・・」

 

まずSE GEMINI (ジェミニ2)です。

その威圧感に、ギター製作家の大屋建さんも思わず笑顔のこのマイク。SEマイクのフラッグシップと言えるでしょう。

隣にあるDPA 4006Aが実にかわいく映ります。

真空管マイクなので電源ユニットも付いてますが、とにかく一式がデカく重い・・セッティングするだけで大仕事です。

肝心の音は、外観とまったく同じ印象でドシーン・・・としたもの。

基音が余韻がどうとか繊細な事を、すべて駆逐してしまう独特の世界観です。

これだけ個性があるとメインパートの録音には使いにくいと思いますが、林さん曰く、メインでないコーラスにこういった音像が欲しい場面もけっこうあるそうです。

私も自分の録音には(当然ライブにも)使わないなあと思いつつも、この世界観には魅力を大いに感じます。

一度これで何かを作ってみたい、そんな気にさせるマイクです。

 

 

続いて同じくSE 2200aです。

これはなかなか良いでないですか!全体の厚みもああり、低音から高音がスムースです。

ジェミニと比べると小さく見えてしまうから恐ろしい。ライブ用にはこれでも大きすぎますね。

音もジェミニよりも格段に使いやすい。これで単一指向性のみのモデルだと3万。これは1本持っておく価値は大いにありそうなマイクです。

しかしDPA 4006Aと比べてしまうと「自然さ」の質がかなり下がってしまうかなあ・・・

 

 

SE 4400aです。

今回はライブ用機材のテストという名目なので、サイズ的にもこの機種が注目株でした。

さすがに取り回しもしやすいし、工夫すればサスペンション装着したまま折りたためて保管できそうなのも良いです。

加えて、モード切替も「単一指向性」「超単一指向性」「無指向」「双指向」とでき、かなりのユーティリティ。この機能で5万円を下回るコストパフォーマンスも素晴らしい。

肝心の音は・・・良い音には間違いありませんが、欲しい世界ではありませんでした。

中域が締まっていますが、高低の抜けという点では少し物足りない。その点は2200aの方が好印象でした。

まあこれは、あくまで自分のプレイとは合わないという事ですね。善悪ではありません。

 

 

Soundelux U195です。

今回のテストで初めて知ったマイクでしたが、正直「こんな良いマイクが出ていたのか!」と驚きました。

ノイマンのヴィンテージU87とU89iをモデルに作られたマイクだそうです。

音は、密度がしっかり詰まった世界で、それでいて各帯域が実になめらかに繋がります。

まずスティール弦ギターの低音弦。弾く瞬間のメタリックな音と、直後のふくよかな伸びが気持ちよく同期している。

高音ではタッチの質によって変わる余韻の味わいが素直に爽やかに表現されます。

そして曲を録ると全ての音が調和してくれる感覚があります。いや、これは素晴らしいです。

比較するとレコーディングでのメインマイクDPA 4006Aは、驚くほど透明である事がわかります。4006で録るといつも感じるのは「音の奥にある佇まいまで録れる」という事。このU195はそういった佇まいの再現性というよりも、やはり「音楽を録ろう」というマイクなのだと思います。このニュアンスの違いは、自分にとってはけっこう大事です。

レベルの高い製品同士の比較は、本当に興味深いですね。

 

 

Neumann U87aiです。

というわけで本家ノイマンも出してみようということになりました。

さすがの音で安心しますね。こうして比較すると、Soundelux U195よりもハッキリ性格を持ったマイクであることがわかります。

ナチュラルである事は間違いありませんが、高域の伸びと低域の懐の深さなど、このマイク特有の音は確かにあると再確認しました。

 

 

Neumann KM184です。

写真でもわかるように、DPA 4006Aより小さいです。

これはまた素晴らしい音でした。

ナチュラルでいながら、この厚みのある中域はノイマンらしさ全開という感じ。

加えて184は高域がほんの少し持ち上がっているのが大きな特徴で、私の弾くギターには非常に合ってました。

単一指向性でいながら、指向性が若干ワイドとの事。これも自分向きだと思いました。

何よりこの取り回しの良さ!ライブ用として持ち歩く事を考えると、これは大きなポイントです。

サイズからは想像できない、太く立派な音という印象。さすがノイマン、感服いたしました。

 

 

AKG C451Bです。

現在私のライブでメイン使用している機種です。

やはり使いやすいマイクですね。同じペンタイプのNeumann KM184と比べると、バッサリ中域が抜けて高域にシフトしています。

しかし「痛くない」音。更に低音も高音もよく歌います。よく考えると不思議です。

コンソールルームのモニターでシビアに聴いても、実によくできたマイクだと再認識しました。

最近価格が下がってきたこともあり、この451をもう1本導入するというのも大いにアリだと感じました。

 

 

以上7本でした。

実に興味深いテストとなりましたね。
今回のMVPは、Soundelux U195ですね。
この質感の高さには本当に驚きました。本家ノイマンよりも安価なので、要チェックだと思います。
テストの本来の目的である「ライブ用マイク」としては、Neumann KM184でしょう。
ノイマンらしい厚くしかも爽やかな音像。メロディへの焦点の合い方、和音の存在感、文句なしです。
もちろんライブのみならずレコーディングでも大活躍しそうです。
こうした場で、レコーディング・エンジニアの林さんと、ギター製作家の大屋さんと、3人で感想を述べ合うのは心から楽しい時間です。
同じ、「音そのものを扱う」専門家でありながら、それぞれの業種が3者3様という関係。
考えてみるとなかなか珍しいトリオですね。
あー楽しかった。
(番外編へつづく)
author:伊藤賢一, category:機材, 13:09
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